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Vol.100
◆増加する認知症の現状と相続対策
 
 

◆増加する認知症の現状と相続対策

 
 



 いま、リスク・カウセラーの周辺では大変なことが次々に起きています。

1.夫婦の二人が認知症患者になってしまった為、 夫が亡くなった後の相続人(妻)の成年後見人を
決定することとし、施設への入園手続き、その施設への入園費用の捻出の為の不動産売却処理。


2.長女が気がついた時には老母と叔母が認知症になっていた。夫の転勤先の長崎から夫を残  
して子供たちと東京へ戻り、母等の身の回りの世話をしつつ成年後見人の手続きをした。
裁判所が後見人に指定した若い司法書士は初めての体験でありコミュニケーションが上手くとれていない中、介護の為の同居を目的に母の家を改築したいが……。

3.両親の言動が異常なことに気づき、家で倒れ入院したときに医師に診断をしてもらい、両親が二人とも認知症であることが判明したものの本人達は断固としてそれを受け入れず、周辺の人々とのハプニングの連続。自営の商売を開店休業にして両親の身の回りを介護中。

 これらの事例の外にも数多くある親が認知症になり翻弄されている患者の親族からのご相談件数は、今後も増加することでしょう。

親族が、親の行動を見て何処かおかしいと気づいてから病院へ連れて行き、そこで「認知症」と診断されたとしたら、事態はかなり深刻になってきます。

資産家の場合の相続対策をどうするか、本人が健康な場合であれば本人の意思によって
決められたものが、思惑通りに進まないことはしばしば起こります。

親族が成年後見人になったとしても、身の回りの世話と万一の時の相続財産を分ける話は別世界。

経営者が「認知症」になってしまった場合の社長としての業務は、どのようにして継続していったら
良いのだろうか。

経営者の介護と相続問題だけでなく、事業継続計画(Business continuity planning、BCP)の見地から
も、家族にとっても、従業員にとっても社会的に大きな問題と捉えなければいけません。

日本の総人口の4分の1が65歳以上の高齢者の現在、その8.5%が認知症患者であるという事実を
私たちは受け入れることです。

◆日本の総人口数………12000万人
◆65歳以上の高齢者……3000万人
◇内・認知症患者数…… 240万人(8.5%)
◆15年後の65歳以上…3500万人
◇内・認知症患者数 ……330万人(10%)


ある調査によりますと30年後には65歳以上の高齢者数は現在の約2倍になると言われており、
残念ながら認知症患者は1.5倍になると言われています。

◆認知症と間違えられやすい症状

 リスク・カウンセラーの立場から、「認知症対策」という表現をするならば、
『早期発見・早期対策』が一番の対策であることを提案いたします。

自分だけは大丈夫だと思っている経営者も、親族や会社関係者のためにも「事業継続計画書(BCP)」
と「相続対策」をご相談していただくことを強く提案いたします。

周囲の人たちが認知症ではないかと言動に異常を感じる場合と、
認知症ではない症状や病気である場合もありますから注意深く見守りたいですね。。

たとえば、誰にでもあるような単なる老化現象の「生理的な物忘れ」や、
脳血管障害による「軽度な意識障害」、化性痴呆ともよばれる「うつ病」、
子供の頃から知能障害の「精神発達遅滞」や「難聴」なども、認知症と間違えられることも
あるようですから、セルフチェックもお忘れなく。